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大腸カメラ(全大腸内視鏡検査)・日帰り大腸ポリープ切除(内視鏡手術)– colonoscopy –

浜松市中区の七草ファミリークリニックでは,大腸カメラ(全大腸内視鏡検査)・日帰り大腸ポリープ切除を実施しています.

目次

大腸カメラ(全大腸内視鏡検査)について

近年,動物性脂肪の過剰摂取,野菜やくだものなどの摂取不足による食物線維不足,アルコール,喫煙,睡眠不足,運動不足などを基盤として,大腸ポリープや大腸がんが急増しています.しかし大腸ポリープはもちろん,大腸がんであっても早期の段階ではほとんど自覚症状がないため,大腸カメラによる早期発見がなにより重要です.

大腸内視鏡検査は盲腸〜直腸まで大腸を全長にわたり詳細に観察する検査で,大腸の病気の診断と治療に必要な検査です.一般に大腸内視鏡検査は痛くてつらい検査だと思われているようですが,当院では静脈麻酔を使用して眠っている間,もしくはウトウトしている間に検査を受けられるよう工夫していますので,決して苦しい検査ではありません.
以下のような症状がある方は,ぜひ一度大腸検査を受けられることをお勧めします.
・大腸がん検診(便潜血検査)で陽性になった方
・排便時に出血することがある方
・最近便秘や下痢がひどくなってきた方
・お腹が張ってすっきりしない方
・排便後も便が残っている感じ(残便感)がする方

なお当院では患者さまの負担を軽減するため,検査前日の入院を不要とする『日帰り検査法』を実施していますので,検査前の準備・検査・結果の説明を含め,すべてを1日で済ませることが可能です.
(ポリープ切除を受けられた方は後日顕微鏡検査の結果説明があります)

レーザー光内視鏡による大腸カメラの特徴

当院ではフジノン(富士フィルムメディカル)社製のレーザー光内視鏡システムを導入しています.
本システムは通常観察用の白色光用レーザーと,血管や表面構造観察用のBLI(後述)用レーザーの2波調のレーザー光源を搭載しており,これらを組み合わせ光の強さの比率を変えることで従来の内視鏡よりも病変を発見・観察しやすくなっています.
また大腸内視鏡は拡大内視鏡を導入しており,粘膜の表層構造を拡大観察することで顕微鏡診断に近い肉眼診断が可能となっています.
当院ではこの拡大観察とBLI 観察・LCI 観察を組み合わせることで組織を採取しなくても良性・悪性の内視鏡診断がある程度可能です.

主に短波長(青色)レーザー光を用いて粘膜表面の血管や表面構造(凹凸や腺管の形状や配列)を観察することにより,良性腫瘍(腺腫)や悪性腫瘍(がん)を診断することが可能です.
短波長(青色)レーザー光と白色レーザー光を併用し,さらに画像処理で赤色を強調することで粘膜の微妙な色の違いがよく分かるようになり,がんや炎症などの病気が見つけやすくなります.
通常の白色光による観察
最新型のレーザー光内視鏡は従来の内視鏡より高画質なため,通常の白色光による観察でも十分な描出力があります
BLI による観察
粘膜表面の血管が青〜緑に見えるため,血管増生部分(がんや炎症など)が周囲の正常な粘膜と区別しやすくなります
LCI による観察
がんや炎症の部分は正常粘膜より赤く見えるようになるため,病変を見つけやすくなります

当院の大腸カメラで診断した病変

大腸カメラの流れ

STEP
事前診察
  • 緊急の場合を除き,基本的に大腸カメラは予約制です.
    検査をご希望の方は事前に一度,ご来院ください.
    【検査実施日】 月火木金曜日の午後.不定期ですが土曜の午後にも検査を実施しています.
  • 症状,他の疾患,現在服用している薬 などをお尋ねします.
    (大腸カメラ用の問診票にご記入ください)
  • 他院で薬を処方されている方は,内容が分かる『おくすり手帳』などをお持ちください.
  • 検査日,麻酔の方法,注意事項 などについてご説明し,検査申込書をご記入いただきます.
  • 診察後に血液検査があります.
STEP
前日
  • 夕食は消化のよいものにして,21時までに済ませてください.
    検査食(1日分3食で1,620円 税込)をおすすめしています.
  • 寝る前に下剤を2錠内服します.
  • 前日は飲酒,牛乳,コーヒーは控えてください.
STEP
当日朝
  • 朝食は抜いてください.水分(水,お茶)は飲んでも構いません.
  • 朝のお薬がある場合は,検査の3時間前までにコップ1杯以上のお水で内服してください.
  • 糖尿病で内服薬・インスリンを使用中の方は,当日朝は使用しないでください.(低血糖になるため)
  • 院内で下剤を服用される方は朝8時に来院してください.
  • 自宅で下剤を飲まれる方は朝7時から下剤を服用して,12時に来院してください.
STEP
来院後
  • 便が透明になったことを確認します.
  • 血圧測定(当日の血圧が高い場合,検査を実施できません)
  • 検査着に着替えます.
  • 鎮静剤(ウトウトする薬)を使用する場合は,前腕の血管に注射用の針を入れます.
    鎮静剤は検査室に入ってから,検査直前に使用します.
     ※ 鎮静剤を使用する場合は,車・バイク・自転車を運転して帰ることはお控えください.
  • 検査は10〜30分程度で終了します.(検査時間は個人差があります)
  • ポリープ切除や組織検査を行うことがあります.
  • 血液をサラサラにする薬を飲まれている方は,ポリープ切除や組織検査を行えません.
STEP
検査後
  • 鎮静剤を使用した場合は,検査後目が覚めるまで1時間程度お休みいただきます.
  • 目が覚めた後に検査の写真を見ながら結果をご説明します.
  • 組織検査を行った場合は,後日(およそ1週間後)結果をご説明します.
  • 飲食は検査の1時間後から可能です.ポリープ切除や組織検査を実施した場合は3時間は空けてください.(ポリープ切除後用の食事セットもあります)
  • ポリープ切除後は遠出や激しい運動,飲酒は避けてください.

※当院では検査を分かりやすく,詳細に,正確にお伝えするために,また情報開示の観点から,検査を受けられた方全員に写真入りのレポートをお渡ししています.

内視鏡的大腸ポリープ切除術(日帰り内視鏡手術)

大腸にできるポリープは一部の過形成性ポリープなどの例外を除き徐々に大きくなり,発生から数年で約1cm,さらに数年で2cm程度の大きさに育ちます.胃のポリープとは異なり,大腸ポリープは1cmのもので数%,2cmになると10-20%は癌化していますので,早期発見・早期切除が必要です.

当院では大腸検査の際にポリープを認めた場合,可能な限り内視鏡的に切除しています.切除の際にできた粘膜の穴は内視鏡的に縫って閉じますので,通常は入院の必要はありません.
※ 抗凝固薬(血液をサラサラにする薬)を服用している方は内視鏡的大腸ポリープ切除を行えない場合があります.

大腸カメラにかかる費用

【検査で異常がなかった場合】
3割負担の方で窓口負担は約6,000円〜7,000円程度になります.

【炎症や腫瘍を認め組織検査をした場合】
3割負担の方で窓口負担は約10,000円〜20,000円程度になります.

【大腸ポリープを切除した場合】
3割負担の方で窓口負担は約20,000円〜25,000円程度になります

(上記費用に診察料,投薬料,検査前後の検査食は含まれません)
(採取した組織の数により検査費用が変わることがあります)

大腸ポリープを切除した際の手術給付金について

内視鏡的大腸ポリープ切除術は検査ではなく手術になりますので,生命保険にご加入の方は手術給付金を請求できる場合があります(ご加入の保険により異なります).
詳細はご加入の保険会社にお問い合わせいただき,必要な書類を取り寄せていただければ手術診断書を発行いたします.

各種書類ダウンロード

当院での内視鏡検査をご希望の方は,以下の内視鏡用問診票をご記入のうえお持ちください.
内視鏡検査用 問診票

また大腸カメラの簡単な説明書にあらかじめ目を通しておいてください.
大腸内視鏡検査を受けられる方へ

※ PDFファイルを見るためには,Adobe Reader というソフトが必要です.Adobe Readerは無料で配布されていますので,こちらからダウンロードしてください.

大腸カメラの受け方【動画】

大腸を調べるための,大腸内視鏡検査の受け方について動画で分かりやすく説明しています(約4分)
(オリンパス『おなかの健康ドットコム』より)

大腸カメラに関するよくあるご質問

大腸カメラは苦しいですか?

大腸内視鏡検査は,検査を担当する医師の熟練度が大きく左右する検査です.

当院では,開院以来2万件以上の内視鏡検査を実施している熟練した内視鏡医が検査を行っています.
(他の医療機関ではアルバイトの医師が検査を実施しているところも多いです)

また検査時に静脈麻酔を併用(無痛検査)しておりますので,一般に言われているような苦しい検査ではありません.

なお,静脈麻酔の使用後は当日夜までお車の運転ができませんので,ご注意ください.
(ご自分で車を運転して帰りたい方は無麻酔での検査も可能です)

大腸カメラは保険適用になりますか?

便秘や下痢,腹痛や腹部膨満感,排便時の肛門出血などの症状がある方や,以前大腸ポリープや大腸がんの手術を受けている方は保険適用です.

また,健診で便潜血陽性を指摘された方は無症状でも保険適用になります.

一方,まったく症状がない方で,健診や人間ドックの一環として検査を希望される方は自費診療となります.

大腸検査は何年間隔で受ければいいですか?

大腸カメラで異常がなかった方やポリープが見つかったもののすべて切除できた場合は『クリーンコロン(きれいな大腸)』と呼び,数年間は心配ありません.当院では通常3年後の検査をおすすめしています.

健診の便検査(便潜血検査)が異常なければ大腸の病気は心配ありませんか?

便潜血検査は便中の血液を検出する感度は高いですが,大腸に病変があっても出血していない場合は意味がありません.

便潜血が陽性になるのは,大腸ポリープがある方の30%程度,早期大腸がんの方の50%程度,進行大腸がんの方の70%程度という統計があります.
逆に言えば,大腸ポリープがあっても70%,早期大腸がんの50%,進行大腸がんの30%は便潜血検査で異常なしと判定されることになります.

便潜血検査で陰性(異常なし)と判定されても大腸の病気がない証明にはなりませんので,当院では定期的な大腸検査をおすすめしています.

排便時に出血がありますが鮮血なので痔の出血だと思います.大腸カメラは必要ありませんか?

いいえ.
内痔核からの出血が認められた方で,その奥の大腸にがんが見つかった方が実際にいらっしゃいます.

痔と大腸の病気は,どちらか片方にしかならない訳ではなく両方同時にかかる場合がありますので,痔出血であることが確認できても,40歳以上の方には念のため大腸検査をおすすめしています.

他院で毎年大腸カメラを受けて毎年ポリープを切除しています.ポリープができやすい体質でしょうか?

家族性大腸腺腫症(FPC)や遺伝性非ポリポーシス性大腸がん(HNPCC,リンチ症候群)のように大腸ポリープが多発する方は一定数いらっしゃいます.このような場合は毎年カメラでポリープを取ることもあるでしょう(実際には診断がつけば大腸全摘することが多い)が,そのような病気に罹患することはかなり稀です.

切除しなくてもよいポリープ(過形成性ポリープなど)を積極的に切除する医療機関もありますので,注意が必要です.

ポリープを取ったあとは痛みますか?

大腸ポリープは粘膜に発生する病変です.通常,粘膜には神経がありませんので切除しても痛むことはありません.

しかし切除した部位(粘膜の傷)が治る前に,激しい運動をしたり便秘になったり(排便時に過度の腹圧をかけたり)すると傷が広がって痛みが出ることがありますので,ポリープ切除後1週間程度は安静に過ごしてください.

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