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便秘– constipation and diarrhea –

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便秘とは…

『便秘』とは排便が順調に行われず,3日以上便が出ない場合や,毎日排便があってもすっきりしなかったり,残便感があったりする状態をいいます.現在,日本では約500万人の方が便秘を自覚している,という統計があるぐらい便秘はありふれた症状です.

便秘になると腸内の腐敗菌が増えて腸内細菌が正常な働きをしなくなり,おならが臭くなったり,肌荒れ・吹き出ものや食欲低 下,肥満,高脂血症などの原因になったりします.
また大腸憩室のある人が便秘になると憩室が破れて腹膜炎を起こすこともありますので注意が必要です.

便秘の種類

便秘には主に以下のようなものがあります.

痙攣(けいれん)性便秘ストレスなどで大腸の(ぜんどう)運動が強くなりすぎた場合に起こります.
コロコロの便が出るのが特徴です.若年者や中年者に多い傾向があります.
弛緩(しかん)性便秘大腸壁の緊張が弱く,便を押し出せない状態です.高齢者に多い傾向があります.
習慣性便秘忙しさのために毎日(毎朝)排便をガマンした結果起こる便秘です.
直腸内に多量の便が貯留している状態です.
薬物性便秘薬の副作用により便秘になることがあります.
例:風邪薬(咳止めなど),貧血薬,睡眠薬や精神安定剤など
女性特有の便秘生理前や妊娠初期は女性ホルモンの分泌が増えるため,便秘になりやすくなります.
女性は男性より腹筋が弱いことも一因です.ダイエットや食物線維の不足も原因となります.
過敏性腸症候群詳細はこちらのページをご参照ください

便秘の診察,検査

【腹部の診察】
腹部の触診や打診,聴診などにより腹部を観察します
【腹部レントゲン検査】
大腸内のガスや便の溜まり具合を調べます
【大腸内視鏡検査】
大腸ポリープや大腸がんが原因でないかどうか調べる検査です
【便潜血検査】
幼児や高齢者など大腸検査を実施するのが困難な場合には,検便で大腸の病気がないか調べます

便秘の改善方法

便秘の方には安易に下剤を内服している方が多くみられますが,アロエやセンナ,市販の下剤などの多くは刺激性の下剤です.これらの下剤を長期間服用すると大腸粘膜が鈍感になるため便秘の症状が悪化し,さらに下剤を増量しないと便が出なくなります(これを便秘の悪循環と呼びます).
便秘は食生活や排便習慣の改善で解消するのが基本です.

・3食規則正しく食べる
・水分をしっかり摂りましょう.
 朝起きがけにコップ1杯の水分を摂ると腸が刺激され便が出やすくなります.
・野菜やくだものを摂る
 食物線維は水分を吸収して便の量を増やしてくれます.
   野菜や海藻類,くだものなどをしっかり摂りましょう.目安(1日摂取 目標量)は350gです.
・睡眠は十分とりましょう
・適度な運動も忘れずに
・シャワートイレで肛門周囲を刺激するのもお勧めです

以上の点に注意しても便秘が改善しない場合は専門医に相談することをお勧めします.

便秘の薬物療法

食生活や運動習慣の改善で便秘が改善しない場合は,内服薬を処方することがあります.

1)塩類下剤(酸化マグネシウムなど)
  体内の水分を腸内に引き寄せ,便中の水分を増やします
2)膨張性下剤(ポリフル,コロネルなど)
  水分を吸収しゲル状となって膨らみます.
  便が大きくなり排便が刺激されます.
3)ビタミン剤(パントテン酸など)
  腸を刺激するビタミンを摂取すると排便が促進されます.
4)刺激性下剤(センナ,センノシド,大黄,プルゼニドなど)
  腸の粘膜を刺激して蠕動運動を促します.
  飲み続けるとだんだん効かなくなるので飲み過ぎないよう注意が必要です.
5)漢方(芍薬など)
  痙攣(けいれん)性便秘の場合は腸の動きを抑えると便がスムーズに出ることがあります.

消化器科の専門医では刺激性下剤に頼らない排便コントロールを行っていますので,癖になることはありません.安心してご相談ください.

よくあるご質問

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